映画レビュー【Dr.パルナサスの鏡】
あらすじ
鏡で人々を別世界に誘う見せものが売りの、パルナサス博士(クリストファー・プラマー)の移動式劇場はロンドンで大盛況だった。観客は博士の不思議な力で自分が思い描く、めくるめく世界を体験できるのだが、そこにはある秘密があった。トニー(ヒース・レジャー)はそのアシスタントとして観客を鏡の世界へと導く役目を担っていたが……。
シネマトゥデイ (外部リンク)
出演:
ヒース・レジャー
ヴァーン・トロイヤー
【感想】ネタバレ普通に書いているかもしれないので、ご注意下さい。
ヒース・レジャーの遺作となってしまった作品です。
というか、どこまでがヒースなの? っていうくらい別の俳優さん(ジョニデとかジュードとか)が入れ替わったので、どのあたりがヒースなのかよく分からないまま終わったのが正直な感想です(笑)
それぐらい、皆さんすごい演技で、顔つきも似ているからですね。
日本人からしたら、西洋人の顔、どれも似たような感じで区別がつきにくい……。
これが日本の俳優さんだったら区別がつけたかもしれませんけどね。
物語の始まりは、パルナサス博士のショーから始まるのですが、出だしから鏡の世界へ!
これは面白くなりそうだぞ! という怒濤の展開でした。
ただ、鏡って何の役割をするんだろうって思いながら見ていったんですよ。
出だしの方は、戒めというか、自分の悪い心を改めるものかと思ってたんですよ。
だって展開がそうだったので。
でも、違ったんですね。
その人の願望を映し出す鏡だったんですね。いや、最初のあれは何だったんだろう……(笑)と思いつつ。
見終わっても首をかしげるのが、出だしの男です(笑)
願望を映すだけの鏡なら、死ぬ必要ないじゃん! と。
選択を間違えるとか、そういう仕組みは悪魔にやらせれば良い、と思う。何も博士がやらなくても。
娘が選択をするというシーンにおいては、悪魔が選択させているので、これは良かったと思います。
だから、最初のシーンで爆発死させちゃったもんだから、金持ちマダム達も死んでしまうんじゃないかって冷や冷やしてたんです(^^;)
選択させて、間違えれば死んでしまうなら、マダムも全員が全員、正しい選択をするとは限らないですもん。4人のうち一人ぐらい間違えそうですよ?
確率からいって、二択だとしても、単純に四人全員が二分の一の確率で正解を出すには、16分の1の確率なんです。
ってそういう確率論はどーでもいいとして。そういう二択問題さえなければ、ストーリーはスムーズにいけるはずなんです。出だしがちょっと失敗かもしれないです(笑)ずーっとすっごく引っかかってるんです。。。
すみません、頭は理系なんです。
それにしても、鏡の中のイマジネーション。好きです。ああいう世界。
私も入りたいですねえ。
トニーの願望の世界。天に届くはしごがすごく良かったです。私も昇ってみたい!
何よりジョニーが良かった(笑)彼が出てきただけでテンションアップ。
ジュードのイケメン度は高いですね。。。単に好みの問題なんですが。
ふと思ったんですが、皆さん、自分は絶対一分後は死なないっていう確信、おありですよね……?
私もそう思ってます。一分後、まさか自分が死ぬわけがない! と思ってますから。
でも一分後って想像つきますよね。
想像が出来るから、確信出来る。
だから死なないって思えるんです。
でもそれが明日だったら? 一週間後だったら?
「うん……、多分、死んでないと思うよ……多分だけど」
っていう不安定な確信じゃないかと思います。
たった24時間後のことなのに、こうも一気にバランスを失います。一分後と24時間後は同じ未来なのに。
それは24時間後の自分を想像出来ないからです。
多分、私は同じようにパソコンに向かって夢分析をしているだろう……としか想像が出来ません。
でも一分後なら、もう少し記事を書き進められている自分、と予想がはっきりと出来ます。
隕石が迫っていてそれに気付かずに打ち続けているならともかく。
映画とは全く関係ない話をしているようですが、これは関係が大ありです。
それは、博士が悪魔と契約した「不老不死」。
「絶対に死なない命」です。
これは、100年後も千年後も地球が無事で居る限り、生き続けられるという絶対的な確信があるからです。
身体が真っ二つに切断されようとも、生きられるんです。
これって想像すると、ぞっとしますよね。
しかし人間は愚かな生き物です。不老不死を願う人は必ず居ます。
というか、明日は絶対私は死なないと思っている人でしょう。
24時間後の未来なんて、誰も分からないのに。
不謹慎な話ですが、噴火の件だってそうです。
あれも数時間の話なんです。
登山予定の数時間後に起きた事……。それを想像出来るはずがありません。想像出来たらその人は超能力者です。
この映画の最大のテーマは、鏡ではなく、博士の不老不死を願ってしまった「欲望」だったと思います。
だから、鏡も「願望=欲望」を映し出しているのです。
見せる事によって、自分を戒めている感じがしなかったでもないです。
もし博士が悪魔と契約してなかったら。
妻を失うこともなければ、出会うこともなかった。
娘を得る事もなければ、娘を失う恐怖感もなかった。
全ては縁起です。(仏教用語で、まあ簡単に言ったら死亡フラグが立つ→縁が起こる ですね。)
というか、今気付いたんですが、お釈迦様も悪魔に言い寄られてるんですよね。
不老不死が欲しくないのか。富が欲しくないのか。
と囁いてくるんですよ(笑)でもお釈迦様は華麗に追い払いました。
もしかして、監督は仏教に精通してる? と思いましたね。。。
でもまあ、宗教が違ったって、この世の理は全て同じです。
キリシタンがそんなことを考えても不思議ではありません。
ということで、鏡の向こうの世界は純粋に楽しかった! それに限ります。
イケメン鑑賞にもGOODです。
以上、感想でした。
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